政府が2027年をめどに、家事代行・ベビーシッターへの税制優遇と国家資格(技能検定)の新設を検討しています。「本当に使う側にメリットあるの?」「いつから?」という疑問に、家事代行スタッフとして8年働いてきた私が、現時点でわかっていること・まだ決まっていないことを整理してお伝えします。
3行で先に結論
- 政府が家事代行・ベビーシッターに税制優遇を検討中。2026年夏に詳細が出る予定
- セットで国家資格(技能検定)が2027年秋に新設。合格者を「技能士」と呼ぶ
- 控除の金額や条件はまだ未確定。現時点で「準備すること」はほぼない
家事代行に「減税」が来るかもしれない
2026年春ごろから、ニュースで「家事代行に税制優遇」という話を見かけるようになりました。「本当に使う側にメリットあるの?」「いつから?」という疑問を持っている方も多いはず。家事代行スタッフとして8年働いてきた私が、現時点でわかっていること・まだ決まっていないことを整理してお伝えします。
そもそもなぜこの制度ができるの?
政府は2026年4月の「日本成長戦略会議」で、家事支援サービスへの税制措置と国家資格の新設をセットで検討することを発表しました。背景にあるのは介護離職問題です。
家族の介護や育児のために仕事を辞めざるを得ない人が増えています。家事代行やベビーシッターを気軽に使えるようになれば、仕事を続けながら生活を支えやすくなる──という考え方です。「家事・育児を外注する=ぜいたく」という意識を変え、社会インフラとして認めていく流れとも言えます。
制度の中身:2本柱で動いている
①家事支援サービスの国家資格(技能検定)新設
職業能力開発促進法の「技能検定」として、家事支援の国家資格が新設されます。合格者は「技能士」という名称を使えるようになります(名称独占資格)。複数の等級が設けられる予定で、2027年秋に第1回試験が実施される見込みです。
現在、家事代行業界には統一された公的資格がありません。各社が独自の研修をおこなっているのが現状です。国家資格ができることで、サービスの品質基準が生まれ、利用者としても「この人はちゃんとした訓練を受けた人」と判断しやすくなります。
②国家資格保有者のサービス利用に税制優遇
国家資格(技能士)を持つスタッフによる家事代行・ベビーシッターサービスを利用した場合、税額控除などの優遇措置が受けられる可能性があります。具体的な控除額・上限・所得制限などは、2026年夏を目途に政府が方針を発表する予定です。現時点では「検討中」の段階です。
正直なところ:まだ決まってないことが多い
この記事を書いている2026年5月時点で、以下はまだ決まっていません。
- 控除額・上限額
- 所得制限の有無
- 対象となるサービス・会社の範囲
- 申請方法(確定申告?会社経由?)
「2027年から減税スタート」と断言できる段階ではなく、2026年夏の発表を待って初めて全体像がわかる状況です。スタッフとして現場を知る立場から言うと、制度の詳細が決まるまでは「情報収集しながら待つ」が正直なスタンスだと思います。
現場から感じる3つの疑問
制度の内容が報道されるたびに、現場スタッフとして気になる点があります。利用を検討している方にも関係する話なので、正直にお伝えします。
①国家資格は「必須」になるの?
現時点で議論されているのは、国家資格を持つスタッフのサービスを利用した場合に税制優遇を受けられるという設計です。つまり、資格なしのスタッフによるサービスは優遇対象外になる可能性が高い。
今の家事代行市場の大半は、各社の独自研修は受けているものの、国家資格は持っていません。2027年に第1回試験が行われても、資格保有者が業界全体に広がるにはしばらく時間がかかります。利用者にとっては「国家資格を持つスタッフが来るサービスかどうか」が、税制優遇を受けるうえでの重要な確認ポイントになりそうです。
②外国人スタッフの参入が増える?
国家資格化の議論と並行して、外国人材の家事代行分野への参入も現実になりつつあります。現在の特区制度を利用しているのは、主にフィリピン出身のスタッフです。フィリピンにはTESDA(政府認定の技能評価機関)があり、家事代行の技能を国が認定する仕組みが整っています。実際に利用した方からも「丁寧で信頼できる」という声が多く、一定の評価を得ています。
今後、制度が拡大し他の国からの参入が増えた場合、利用者としては以下の点を確認することが重要になりそうです。
- 受け入れ企業が国の審査・認定を受けているか
- 在留資格が適正に管理されているか
- 日本語でのコミュニケーションが取れるか
- トラブル時の保険・保障が整っているか
「外国人だから不安」ではなく、どの国の出身であれ、管理体制が整った会社のサービスを選ぶという視点が、利用者として大切な判断基準になると思います。
③個人事業主・フリーランスに頼んだ場合はどうなる?
家事代行には、会社に所属するスタッフだけでなく、個人事業主として活動するフリーランスの方もいます。タスカジのようなマッチング型サービスはその代表例です。
個人事業主のスタッフに依頼した場合、インボイス(適格請求書)の登録の有無が税制優遇に影響する可能性があります。家庭(個人)としての利用と、法人・個人事業主としての経費利用では扱いが異なる可能性があり、この点は2026年夏の制度案発表を待って確認が必要です。
現役スタッフが思うこと
国家資格の新設については、現場のスタッフとして複雑な思いがあります。以前、認知症の方のお宅に定期でお伺いしていたところ、介護保険のヘルパーが入ることになって解約になったことがありました。コスト面を考えると当然の判断です。
今回の制度の議論は、こういった現場の現実とも深く関わっています。介護保険でカバーされてきた「生活援助(家事援助)」を民間に移行していく流れとも読める、という指摘が福祉関係者の間で出ています。もしそうなれば、利用者の自己負担は今より大きくなる可能性があります。長年この仕事をしてきたスタッフとして、制度が「質の向上」だけでなく「使う人が困らない形」で設計されることを願っています。
利用を検討している方へ
税制優遇が始まる前でも、今すぐ家事代行を使うメリットはあります。
- 空いた時間を仕事・育児・自分の時間に使える
- 家事のクオリティが上がる(プロの目が入ることで気づきも増える)
- 定期利用でスタッフと信頼関係が生まれ、家全体が整ってくる
減税を待ってから試すより、まず体験して自分の生活に合うか確かめるほうが長い目で見て合理的だと思います。
各サービスの特徴が気になる方はこちらも参考にどうぞ。
→ ミニメイド・サービスの評判は?元スタッフが正直に解説
▼ まずは気軽に体験してみてください
まとめ
| ポイント | 内容 |
|---|---|
| 制度案の発表予定 | 2026年夏ごろ |
| 国家資格の第1回試験 | 2027年秋ごろ |
| 税制優遇の対象 | 国家資格保有スタッフによるサービス利用(予定) |
| 控除額など詳細 | 未定(2026年夏以降に明らかになる見込み) |
| 外国人参入 | 現在は主にフィリピン人。管理体制の整った会社選びが重要 |
| 個人事業主利用 | インボイス登録状況で扱いが変わる可能性あり |
制度の詳細が出たら、この記事を更新してお知らせします。

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