家事代行を始めようと思ったとき、まず調べたのがベアーズだった。
時給が安いのは最初からわかっていた。でも「初めての業界だから、まず研修がしっかりしているところで基礎を学ぼう」という気持ちで入社を決めた。慣れたら他社に移ればいい、くらいの感覚だった。
実際、後にタスカジでも働くことになるのだが、それはまた別の話。
バイトスタート時の時給のリアル
入社したのは2019年。当時の時給は1,000円前後だった。
東京都の最低賃金は2019年時点で1,013円。つまり、ほぼ最低賃金スタートだ。
「家事代行なのに最低賃金と同じ?」と思う人もいるかもしれないが、当時はそれが普通だと思っていた。初めての業界で、研修もしっかり受けられる。それで1,000円なら悪くないかな、と。
「案件〇回でアップ」の規定、実態は?
ベアーズには「一定回数の案件をこなすと時給が数十円アップ」という制度があった。
でも実際のところ、その規定はほとんど機能しなかった。
毎年の最低賃金改定のペースに給与の上げ幅が追いつかないのだ。数十円アップしたと思ったら、翌年にはまた最低賃金が引き上げられて「また改定しました」となる。
| 年度 | 東京都最低賃金 |
|---|---|
| 2019年 | 1,013円 |
| 2020年 | 1,013円(据え置き) |
| 2021年 | 1,041円 |
| 2022年 | 1,072円 |
| 2023年 | 1,113円 |
| 2024年 | 1,163円 |
上がっては最低賃金に追いつかれ、また上がってはまた追いつかれる。その繰り返し。会社側も対応に困っていたのかもしれないが、スタッフとしては「なかなか上がらないな」という印象が正直なところだった。
約1年後、試験を受けて契約社員に
バイトとして働き始めて約1年後、契約社員の募集があった。応募して試験を受けて、無事合格。
月給は19万円。時給バイトとは違い、固定収入になる。
スケジュールは基本的に会社が組む。遠い現場でも断りにくい雰囲気があり、仕事がないときは社内で雑務をすることもあった。日本人もフィリピン人も同じ条件で、会社側がスケジュールを管理する仕組みだ。
それでも、時給バイトよりは精神的に安定していた。
コロナ禍、契約社員で助かった話
2020年、コロナ禍でキャンセルが続出した。
会社からの「キャンセルになりました」という連絡が毎日のように続く。バイトだったら収入への恐怖に直結していたはずだ。実際、あれでやめてしまったスタッフも多かったんじゃないかと思う。
私は契約社員だったから、給与は変わらなかった。それだけで本当に助かった。
ただ、現場では次々と新しい対応ルールが追加された。
- マスク着用はもちろん
- アルコール消毒液を持参
- 「ドアの取っ手を素手で触らないこと」
最後のやつ、どうやって入室するんだ…と思ってしまい、会社に電話して確認した。答えは「ハンカチで触ってください」。なるほど。当時はそんなやり取りが日常だった。
ベアーズの良かったところ、正直に言う
よかったところ
- 研修がしっかりしていて、未経験でも安心して始められた
- 道具や洗剤はお客様が用意してくださる。持参するのはタオルと赤いエプロン(モモエちゃん)のみ
- 物損事故は全額会社負担。これは本当に大きい
- サービス中以外はお客様と直接やり取りしない。クレーム対応なども会社が担う
気になったところ
- 給与の上がり幅が小刻みで、最低賃金に追いかけられ続ける
- ユニフォームは支給なし。白ポロシャツ・パンツ・靴下すべて自前で、色や柄の規定がある。自宅から着ていくスタイルなので「駅のトイレで着替えてる」という人もいたくらいだ
- 「白いポロシャツがダサいからやめた」という人が実際にいた。それくらい、服装規定がモチベーションに影響することもある。(なお、私が辞める頃には規定がゆるくなっていたようで、白ポロシャツ以外も認められるようになったとか……詳細は不明だけれど、少し自由になったみたい)
- 契約社員はスケジュールの自由度が低い
「お仕えする身」という感覚を徹底して叩き込まれる会社だと思う。当時はそれが窮屈に感じることもあったが、今になってみると、その姿勢が自分の接客の基礎になっていると感じる。
まとめ
ベアーズは「家事代行を一から学びたい人」には向いている会社だと思う。研修の質は高いし、トラブル対応も会社任せなので、初心者でも安心して始められる。
ただ、給与面には過度な期待をしない方がいい。最低賃金スレスレのスタートで、上がり方もじわじわ。稼ぎたいなら、経験を積んでから他社や直接取引を視野に入れるのが現実的だ。
私自身、ベアーズで基礎を学んでから、タスカジでも活動するようになった。最初の選択としては、間違っていなかったと思っている。

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